宗教のたどり着くところ

政治
イラン、モジタバ師選出の異例 変質する「法学者の統治」 - 日本経済新聞
イランの新しい最高指導者に故ハメネイ師の次男であるモジタバ師が決まった。イランの反米強硬路線は続くと見られるが、同師の選出はイスラム革命体制の変質を色濃く映す。1979年2月、現代史に類を見ない「イスラム法学者による統治」がなぜ出現したのか。理解するにはイランで国民の多数派を占め...

宗教勢力のたどり着くところとして、非常に興味深かったので、引用しておく。

宗教指導者(記事では法学者)が信者の行動にどこまで影響を及ぼすべきか介入していいのか思索を重ねているところなので、イスラム社会(イスラム教シーア派の社会構造)は、非常に示唆に富んでいると考える。

シーア派信徒は「マルジャエ・タクリード(模倣の源泉)」と呼ばれる法学者の最高権威に日常生活の判断を仰ぐ。マルジャエは1人とは限らず、信徒は従うマルジャエを自分の意思で選ぶ。イスラム世界の多数派であるスンニ派とはこの点で違う。

マルジャエだった革命の指導者ホメイニ師はイスラム法の解釈を日常生活から政治権力の行使に広げた。ホメイニ師の呼びかけはイスラム教の聖職者を通じて信徒を動員する力となり、パーレビ王制下で鬱積した不満に火をつけた。

シーア派宗教界では聖職者が政治にかかわるべきではないと主張する高位法学者も少なくなかった。

宗教的権威を欠くハメネイ師が頼ったのが革命防衛隊だった。革命防衛隊は国軍と異なる。最高指導者直轄の革命体制護持のためにデモ鎮圧などを行う暴力装置だ。その力は次第に肥大化し、政治権力だけでなく経済活動にも深く根を張るようになった。

その連絡役として最高指導者事務所を仕切ってきたのがモジタバ師だ。国民は高位法学者の言葉をテヘランや宗教都市コムなどの金曜礼拝で聞く。